「Macはスリープ時も省エネだからシャットダウンせずにスリープでいいよ」と色んなところで言われるので、本当に省エネか確かめるべくスリープ状態での消費電力を計測してみました。
▼計測するiMac
今回計測するのはIntel CPUのiMacです。

AppleSiliconのMacが発売されて久しいですが、たー坊はまだIntel Macで頑張っています
CTOでカスタマイズしているので一応本体の情報を記載します。
本体 | iMac (Retina 5K, 27-inch, 2019) |
CPU | 3.6GHz 8コアIntel Core i9(9900K) |
GPU | Radeon Pro 580X |
OS | macOS Ventura |

▼計測に使用した電力量計
今回計測に使用した電力量計はサンワサプライの「TAP-TST10N」を使用しました。
消費電力のログをPCに出力できる優れものです。
消費電力の変動が記録できるかと思い購入しました。
なお、TAP-TST10Nで記録できる情報は「消費電力」「積算電力量」「記録時の時刻」の3つです。
記録できる周期は10分ごとです。
「消費電力」の値は10分間の平均値です。
「記録時の時刻」が謎で、本体・ソフトウェアともに時刻を設定する項目はありませんでした。
ずれた時刻は修正できませんが、日付は合っているのでヨシとします
(製造時に設定されて内臓電池で動いてるのかもしれません)
精度については下記の通りです。
・消費電力最小値:0.3W〜(誤差:最大2% ±5W)
・積算電力量最小値:0.00kW〜(誤差:最大2% ±5W)
詳しくはTAP-TST10Nの取扱説明書をご確認お願い致します。
▼計測
計測は、Macの設定の「省エネルギー」を4パターン変更して行いました。
1 |
Power Nap ネットワークアクセスによるスリープ解除 |
OFF OFF |
2 |
Power Nap ネットワークアクセスによるスリープ解除 |
ON OFF |
3 |
Power Nap ネットワークアクセスによるスリープ解除 |
OFF ON |
4 |
Power Nap ネットワークアクセスによるスリープ解除 |
ON ON |

「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」の項目は、SSDなので今回の検証からは除外しました。
計測時間は6時間です(記録は10分間×36回)
計測の手順は
- 再起動
- 約10分放置(スタートアップが落ち着くのを待つ)
- スリープ開始
- すぐさまTAP-TST10Nの積算電力量データをリセット
という手順で行いました。
▼計測結果
計測した結果は下記のグラフのようになりました。

・P/N = Power Nap
・N/S = ネットワークアクセスによるスリープ解除
いずれの設定でも「スリープ状態になれば常時2W消費電力で落ち着いています」
Power NapをONにしているパターン(黄色、赤)は時々40W〜55Wくらいの消費電力で稼働しているようです。
ただ、グラフで見てわかる通り、稼働する頻度はそれほど多くなさそうです。
▼スリープ時の電気代を計算してみた
注意ポイント
以前、積算電力量の小数点の位置を間違えて10倍大きい数字で計算していました。
現状の記載は訂正済みです。
誤:0.■kWh → 正:0.0■kWh
1.Power Nap = ON、 ネットワークアクセスによるスリープ解除 = ONの消費電力量
6時間で0.03kWhだったので、これを基準に1ヶ月にスリープ状態のときに掛かる電気代を計算してみます。
たー坊の使い方では1日平均8時間稼働なので、スリープの時間は1日あたり「16時間」。
1ヶ月(30日)のスリープ時間の合計は「480時間」とします。
まずは1時間あたりの消費電力量を計算します。
0.03kWh ÷ 6h ≒ 0.005kW
そして480時間を掛けます。
0.005kW × 480h = 2.4kWh
あとは1kWhあたりの従量料金を掛けます。
省エネ賦課金や燃料調整費を考慮してざっくり30円/kWhとします。
2.4kWh × 30円/kWh = 72円
おぉ、たしかにスリープ運用しても省エネですね。
Power Nap = ON、 ネットワークアクセスによるスリープ解除 = ONの設定でこれならこの設定でも良さそう。
2.Power Nap = OFF、 ネットワークアクセスによるスリープ解除 = OFFの消費電力量
どちらもOFFにした設定でも消費電力を計算してみます。
こちらは6時間で0.1kWhです。
1時間あたりの消費電力量
0.01kWh ÷ 6h = 0.002kW
0.002kW × 480h = 0.96kWh
0.96kWh × 30円/kWh = 29円
3.シャットダウンでの消費電力
ついでなのでシャットダウンした場合の待機電力も計測してみました。

多少の消費電力はありますが積算電力量は0.01kWh未満と、こちらはほどんど消費電力が掛かっていません。
起動後がスタートアップで消費電力が掛かるとも言われるので、シャットダウンから起動→もろもろスタートアップが終わってスムーズに動かせるようになるまでの消費電力量を測ってみました。
結果、起動からスタートアップ終了までは大した消費電力量はなく、0.01kWh未満で収まることがわかりました。
▼まとめ
Macはスリープで運用しても電気代は一ヶ月あたり72円程度であることがわかりました。
これくらいの金額なので、たー坊はシャットダウンせずにスリープ運用をしていこうと思います。
計測していて気づいたのですが、ディスプレイ輝度によって消費電力が10〜20Wほど変動するようです。
目のことも考えて、画面の明るさはほどほどにしとくのが良いかもしれません。