iMac(2019)スリープ時の消費電力

PC

Macはスリープ時も省エネだからシャットダウンせずにスリープでいいよ」と色んなところで言われるので、本当に省エネか確かめるべくスリープ状態での消費電力を計測してみました。

計測するのIntel iMac

今回計測するのはIntel CPUのiMacです。

M1、M2のMacも発売されて久しいですがまだまだ現役で頑張ってくれています。

BOOT CAMPでまともにWindows入るのはIntel Macならでは。

CTOでカスタマイズしているので一応本体情報を記載します。

本体iMac (Retina 5K, 27-inch, 2019)
CPU3.6GHz 8コアIntel Core i9(9900K)
GPURadeon Pro 580X
OSmacOS Ventura
iMac 2019 27"
iMac 2019 27″

計測に使用した機器

今回計測に使用した電力量計はサンワサプライの「TAP-TST10N」を使用しました。消費電力のログをPCに出力できる優れもの。消費電力の変動が記録できるかと思い購入しました。

なお、TAP-TST10Nで記録できる情報は「消費電力」「積算電力量」「記録時の時刻」の3つです。記録として残る周期は10分ごとです。また、記録される「消費電力」の値は10分間の平均値です。

「記録時の時刻」は謎で、本体・ソフトウェアともに時刻を設定する項目がありません。そして時刻はズレています。日付は合っているので、もしかしたら製造時に設定されて内臓電池で動いてるのかもしれません。

記録・表示できる最小値と精度についても記載しておきます。

・消費電力最小値:0.3W〜(誤差:最大2% ±5W)
・積算電力量最小値:0.00kW〜(誤差:最大2% ±5W)

詳しくはTAP-TST10Nの取扱説明書をご確認お願い致します。

計測条件

計測するにあたり、設定の「省エネルギー」の項目を変更し4パターン計測しました。

【1】Power Nap – オフ 
 ネットワークアクセスによるスリープ解除 – オフ

【2】Power Nap – オン 
 ネットワークアクセスによるスリープ解除 – オフ

【3】Power Nap – オフ 
 ネットワークアクセスによるスリープ解除 – オン

【4】Power Nap – オン 
 ネットワークアクセスによるスリープ解除 – オン

省エネルギーの設定
省エネルギーの設定

「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」の項目はSSDなので今回の検証からは除外しました。

計測時間は6時間です(記録されるのは10分間×36回)

いずれも
1.再起動
2.約10分放置(スタートアップが落ち着くのを待つ)
3.メニューよりスリープを選択
4.すぐさまTAP-TST10Nをリセット

という手順で計測を行いました。

計測結果

計測した結果は下記のグラフのようになりました。

(CSVで出力してExcelでグラフを作成しました)

スリープ時の消費電力
スリープ時の消費電力

※下記のように省略して表記しています

・P/N = Power Nap
・N/S = ネットワークアクセスによるスリープ解除

積算電力量の最小単位が0.01kWh(10Wh)なのでグラフ荒いですが、各設定とも6時間で0.3kWh未満には収まっています。

こうしてみてみるとPower Napがオンになっていても、内部で稼働する頻度はそれほど多くなさそうです。

いずれもスリープ状態になれば常時2Wの消費電力で落ち着いています。

スリープ状態での電気代を計算してみる

Power Nap = ON、 ネットワークアクセスによるスリープ解除 = ONの消費電力量を6時間でざっくり0.4kWh(0.3*kWh切上げ)として、これを基準に1ヶ月にスリープ状態で掛かる電気代を計算してみます。

自分の使い方では1日平均8時間稼働なので、スリープの時間は1日あたり「16時間」。1ヶ月(30日)あたりは「480時間」とします。

まずは1時間あたりの消費電力量を計算します。

0.4kWh ÷ 6 ≒ 0.067kWh

そして480時間を掛けます。

0.067kWh × 480 = 32.16kWh

あとは1kWhあたりの従量料金を掛けます。

省エネ賦課金や燃料調整費を考慮してざっくり30円/kWhとします。

32.16kWh × 30円/kWh = 964.8円

ん、結構電気代かかってますね…

Power Nap = OFF、 ネットワークアクセスによるスリープ解除 = ONでも計算してみます。

Power Napがどう影響するか。

こちらは6時間あたり0.2kWh(0.1*kWh切上げ)とします。

1時間あたりの消費電力量

0.2kWh ÷ 6 ≒ 0.034kWh

0.034kWh × 480 = 16.32kWh

16.32kWh × 30円/kWh = 489.6円

500円くらい変わりました。

そして、最も消費電力がかからないPower Nap = OFF、 ネットワークアクセスによるスリープ解除 = OFFでも計算してみます。

こちらは6時間で0.15kWhとします。

1時間あたりの消費電力量

0.15kWh ÷ 6 = 0.025kWh

0.025kWh × 480 = 12kWh

12kWh × 30円/kWh(概算従量料金) = 360円

更に安くなりました!

1ヶ月あたり360円で起動の待ち時間がないと考えれば割安かもしれませんね!

ついでなのでシャットダウン時の待機電力も計測してみました。

シャットダウン時の消費電力
シャットダウン時の消費電力

多少の消費電力はありますが積算電力量は0.01kWh未満と、こちらはほどんど消費電力が掛かっていません

一応シャットダウンから起動し、もろもろスタートアップが終わって「スムーズに動かせるようになるまでの消費電力量」を測ってみました。結果、起動〜スタートアップでも大した消費電力はなく、起動時も消費電力量は0.01kWh未満で収まることがわかりました。

以上のことから、

短時間の停止はスリープ

次の日まで使わないような長時間の停止シャットダウン

というごく当たり前の使い方でいいかも、というのが個人的な結論として導き出すことができました。

おわりに

いかがだったでしょうか?

Macはスリープ運用でよいという見解が半ば一般常識化してきたなかで(公式でもアナウンスされてた?)、スリープでも意外と消費電力量があることに驚きました。

たしかにスリープ時は2Wとかなり小さい消費電力ですが、長時間その状態が続くと意外に電気代がかさんでいるようです。

また、消費電力の問題以外にも、「起動は電源装置に負担が掛かる」という説もあるので、一概にシャットダウンがよいとは言い切れないかもしれません。

自分は多少電気代が掛かりますが、外出先からアクセスしたいときもあるのでPower Nap=オフ、ネットワークアクセスによるスリープ解除=オンの設定でスリープ運用をしていこうと思います。

計測していて気づいたのですが、ディスプレイ輝度によって消費電力が10〜20Wほど変動するようなので、画面の明るさはほどほどにしとくのが良いかもしれません。

Apple シリコンになってスリープ時の消費電力がどうなったかも少し気になりますね。

ではでは今回このへんで〜