パナソニック食器洗い乾燥機NP-TH4-W 設置・レビュー

家電

家事の時間を削減するべく、据え置き型の食器洗い乾燥機を導入しました。

結果、毎回30〜40分掛かっていた食器洗いが「10分の予洗いと放置」で済むようになりました!

今回、食洗機の設置も自分で行いましたので、設置方法も含めて使用感についてレビューしていきます。

製品紹介

今回購入したのはパナソニック製の食器洗い乾燥機「NP-TH4-W」です。

自分はパナソニックの家電が好きなので、今回は「パナソニック製」「据置型」「一番大きいもの」という条件で選びました。

NP-TH4-W
NP-TH4-W

NP-TH4はパナソニック製の食洗機の中で、フラッグシップモデルNP-TZ300と同様に、同メーカー内では最大容量の食洗機です。庫内容量は50Lとなっており、中に入れれる食器点数もカタログ値で最大40点となっています。

フラッグシップモデルのNP-TZ300との主な違いは「ナノイーX送風の有無」と「電動自動ドアオープンの有無」です。

あとは「選択できる汚れレベル(洗浄時間の長さ)」が違ったり、「乾燥のみ行う場合に【90分】が選べるか」が違います。(NP-TH4の乾燥は最長で60分)

NP-TZ300とは実勢で価格差が約2万円ほど安いので、それらの機能が必要かどうか検討してもいいと思います。
今回は電動オープンも必要ないと判断し、汚れレベルの選択も、予洗い前提で使うつもりだったの必要なしと判断してNP-TH4をチョイスしました。

庫内、使い勝手

庫内の様子です。

庫内
庫内

上下2段にカゴが設置されていて、それぞれのカゴに様々な突起が施されています。

その突起に食器を「なるべく重ならないように」立てかけていきます。

食器が重なって噴射される水流が当たらないと洗い残しの原因になります。

上段カゴ
上段カゴ
下段カゴ
下段カゴ

それぞれのカゴは取り外すこともできます。

下段カゴを取り外す意味はあまりないですが、上段カゴを外すことによって、高さのある鍋を入れる事ができるようになります(後述)

それぞれのカゴは本体から3分の2ほど引き出すことができます。

カゴ最大引き出し
カゴ最大引き出し

家にある食器を詰め込んでみました。

「どの突起にどの食器を配置すれば重ならずにたくさん詰め込めるか」を考えながら食器を入れていくのが、まるでパズルをしているみたいで楽しいです。

洗浄の水流は下から上に向けて吹き出すので、食器の内側の汚れた面は横か下に向けます。

家にある食器を入れてみました
家にある食器を入れてみました
形状が合わなくて雑な置き方に
形状が合わなくてあまり美しくない置き方
水流が食器の内側に当たるように工夫します
それでも食器の内側に水流が当たるように工夫して置きます
底に水が溜まります
手前のお椀はのように裏返して平らに置くと、底に水が溜まります

形状が合わないものも噴射される水流がちゃんと行き届くように置けば洗い残しなく洗浄することができます。

お椀の底やお皿の裏などを上に向けると水溜まりになります。

水溜まりになってしまうと洗浄後に60分乾燥を掛けても水が溜まったままです。

平らな面の上にできた大きな水滴も60分乾燥で乾ききらないことがあります。

なので食器はできるだけ平らに置かず、可能な限り斜めになるように配置していきます。

上段カゴ左についている「ちょこっとホルダー」は、うちでは入るものがなかったので、軽量なものが水流で飛ばないように「押さえの役割として」使っています。

その他置き方のコツなどは取扱説明書に記載があります。

軽量なものを、
軽量なものを、
ちょこっとホルダーで押さえる
ちょこっとホルダーで押さえる

蛇足ですが、カタログなどで「めちゃくちゃきれいに食器が入ってるな〜」と思っていて、「一般家庭であんなにきれいに入る食器を揃えることは可能だろうか」と思っていたところ、あれは「標準食器」という日本電機工業会自主基準「電気食器洗い機用食器に関する自主基準」に基づいた食器だそうです。

ただ、その標準食器の基準となる寸法が公開されておらず、どこにも標準食器と名がついた食器も売っていません。

どうも「自主基準」ということで公開されていないようです。

寸法について日本電機工業会に問い合わせてくれた方がブログを書いておられましたので、「食洗機決着 後半」という検索ワードでググってみてください。(ブログを紹介することについて許可は取っていません。記載内容の判断は自己責任でお願いします)

お鍋やフライパンなどの調理器具を洗うこともできます。

下の画像は実際に調理後の調理器具を詰め込んが場面です。

食器類と分けて洗えば、調理器具もそこそこ入ります。

調理器具類
調理器具類

上段カゴや小物入れ(下段カゴに付いてる箸立て)を外すことで家にある最大の高さを誇る寸胴鍋も入れることもできました。

本体中程に付いている噴射ノズルは取り外すことができないので、幅広の大きなものは入らないかもしれません。

鍋の取っ手が意外と幅を取ります。

手洗いよりも、下から水流を当てることによって、洗剤残りなくすすげそうです。

寸胴鍋も入ります
寸胴鍋も入ります

洗浄について

食器や調理器具を入れてしまえば、あとは庫内に洗剤を入れてスイッチを押すだけです。

(食器をきれいに配置することが1番時間が取られる工程です)

洗浄の運転モードは「低温ソフト」「スピーディ」「汚れレベル1〜3」の5つから選ぶことができます。

低温ソフトはその名の通り洗浄・すすぎ時の水温を少し低めの温度で運転してくれます。

その他の「スピーディ」「汚れレベル1〜3」は洗いの長さすすぎの長さ・回数の違いです。(「スピーディ」は時間が短いだけでなく、すすぎの温度も低いようです)

違いはざっくりとそんな感じですが、その他の細かい点については取扱説明書の閲覧をお願いします。

あと、それぞれの運転モードで80℃すすぎを選択することもできます。読んで字のごとくすすぎを80℃の高温で行ってくれます。高温ですすいでくれることにより、食器が乾きやすくなります。注意点としては80℃の高温のまま排水されるのでシンクが熱膨張でボンッと鳴ります。また、洗浄が終わった直後すぐに食器を取り出そうとするとヤケドのおそれがあります。

洗浄後にそのまま乾燥運転するかどうかも選択することができます。

乾燥運転の時間は30分、45分、60分の3パターンから選べ、温風ヒーターを使用しない「送風(60分のみ)」を選ぶこともできます。乾燥運転後に約2時間の断続的な送風を行う「ドライキープ」の有無を選択することができます。

乾燥、ドライキープの有無は各運転モードで最後に使った設定が記憶されます。

設定ボタンを押すごとに「汚れレベル1」→「汚れレベル1+80℃すすぎ」→「汚れレベル2」→「汚れレベル2+80℃すすぎ」・・・と切り替わります

乾燥設定の記憶
乾燥設定の記憶

洗い上がりですが、手洗いと違い「スポンジで擦る」という行為がないのでどうしてもこべりついた汚れは苦手です

ごはんのごべりつきやパスタを茹でたあとの鍋についたでんぷん質、フライパンの焦げ付き、カレーやシチューを作ったあとの粘着質な油、コーヒーやお茶などの茶渋などは食洗機の洗浄のみでは落ちません。

それらは予洗いしてから食洗機に入れることになると思います。

予洗いは水またはお湯を掛けながら手で擦るだけで十分だと思います。

うちでは今のところ唯一「カレーやシチューを作った後の粘着質な油」だけはスポンジ+洗剤で予洗いしています。

(そこまでするともう洗ったも同然ですが、きれいにすすげそうなので一応食洗機に掛けてます)

こべりついた汚れがなければ予洗いは不要と思われますが、うちでは食洗機自体の汚れを予防するためにすべての食器を予洗いしてから入れています。

そのお陰で庫内の残さいフィルターにゴミが溜まることもなく、気分的に清潔が保たれている感じがします。

予洗いをきっちりしているので、基本的に「スピーディ」か「汚れレベル1」で洗っていますが十分にきれいに洗い上がります。

洗剤について

洗剤は「食洗機専用」の洗剤を使う必要があります。

通常の食器用洗剤だと過剰に発泡して水漏れなどを起こしてしまうようです。

食洗機用の洗剤は全然発泡しません。

食洗機を使い始めた頃は、「安い」という理由で粉末タイプの洗剤を使っていました。

すると、食洗機の使用開始と時期を同じくしてフッ素加工の調理器具のフッ素被膜の剥がれが起きてきました。

Googleで調べてみると「アルカリ性の洗剤がフッ素被膜にダメージを与える」と書かれた記事があり、使用していた洗剤を確認するとまさに「弱アルカリ性」の洗剤でした。

因果関係を断定することはできませんが、念のため、それ以来は「中性」の液体洗剤を使用しています。

そもそも食器や調理器具が食洗機対応か調べろって感じですが、食器購入時の注意書きのラベルなんて残ってないし、「傷んだら買い替え」と割り切って食洗機不可の表示あるものも構わず食洗機に入れています。

時短が最優先ということで自己責任で割り切っています。

洗剤はどのメーカーも「粉末タイプは弱アルカリ性」「液体タイプは中性」となっているようです。

近所のスーパーやドラッグストアでその法則から外れた洗剤を見つけることができませんでした。

推奨使用量での1回あたりの単価は粉末タイプのほうが安いですが、そこはやむ無しです。

液性は中性です
液性は中性です

洗浄・乾燥後の生臭い匂いについて

洗浄と乾燥運転を終えて食器を取り出すと、生臭い匂いがすることがありました。

どういう条件で生臭い匂いが発生するか観察したところ、どうも「スピーディ」の運転で高確率で匂いが発生しています。

「スピーディ」の運転の特徴といえば運転時間が短いことと「すすぎの水温が他のモードより低いこと」が挙げられます。

もしかすると部屋干しの生乾きの匂いみたいなものが発生しているのかもしれません。

他の運転モードでも生臭い匂いが発生することがたまにあったので、いろいろ実験したところ下記の対策を導き出すことができました。

①油汚れがあるときは汚れが軽くても「スピーディ+80℃すすぎ」か「汚れレベル1」で洗う。
②洗剤を多めに入れる

すすぎの温度が低いスピーディでは十分な除菌と汚れの洗い流しができないのかもしれません。

洗剤については、洗剤に記載の使用量が「通常の汚れは洗剤1杯」、「汚れが強いときは洗剤2杯」となっているところを、「通常の汚れで洗剤2杯」、「汚れが強いときは洗剤3〜4杯」と多めに入れています。

匂いとは関係なく、もともと洗剤1杯のときの油落ちに不満があったためこれでいいと思います。

※上記の話は洗剤に「キュキュット」を使っていた時の話です。洗剤を「クリスタ」に変えて洗浄してみたところ、洗剤に記載の規定量でも匂いにくくなりました。ただ、キュキュットのボトルのほうが洗剤の投入が楽なので、今はキュキュットのボトルを洗って、中身にクリスタを入れて使っています。

設置について

設置はDIY経験者であれば少し時間は掛かりますが難易度としては簡単な部類になると思います。

基本的にはキッチンの混合水栓から分岐して給水ホースを接続し、シンクに排水する形になると思います。

給水ホースと排水ホース
給水ホースと排水ホース

分岐金具の取り付け

分岐金具(分岐水栓、分岐ソケットなど呼び方はいろいろ)は下記パナソニックのページで現在使用中の混合水栓の品番を入れると対応品が検索できます。

https://sumai.panasonic.jp/dishwasher/bunki/

混合水栓の品番は水栓本体の何処かに記載されていると思います。

うちの混合水栓は背面に品番の記載がありました。

混合水栓は壁から生えた「壁付混合水栓」と下から生えた「台付混合水栓」があります。

今回、うちの水栓が壁付混合水栓だったため、壁付混合水栓の分岐金具取り付けについて説明します。

分岐金具は三栄水栓の「PB515S」というものを使いました。

では、壁付混合水栓で分岐金具を取り付ける手順について説明していきます。

分岐水栓
分岐金具
上から見た図
上から見た図

壁付混合水栓で分岐金具を取り付ける作業は大まかに下記のとおりです。

①水道メーターのバルブを閉め、家全体を断水する。
②モンキーレンチを使ってクランク(偏心管)から混合水栓を取り外す。
③分岐金具をクランクに仮締めで取り付ける
④混合水栓を仮締めで取り付ける
⑤本締めする

①で水道メーターのバルブを閉めると書いていますが、クランクに止水栓がついているものであれば、そこで止水しても大丈夫です。

作業にはモンキーレンチ2本必要です。理由は分岐金具と混合水栓の締結時に分岐金具が共回りしてしまうからです

(もう一本のモンキーレンチで押さえながら回す)

分岐金具の品番によるかもしれませんが、32mm幅を咥えることが出来るモンキーレンチが必要でした。

混合水栓の取り外しは至って簡単。混合水栓後ろのナットをモンキーレンチで左回りに回して外すだけです。

注意点としてはクランクの角度が変わらないよう、クランク側に強い力が加わらないようにします。

水側とお湯側のナットを交互に少しづつ緩めるほうがいいと思います。

また、取り外す前には混合水栓の蛇口を開けて配管内の水圧を抜いたほうがよいです。不意な水の吹き出しを防げると思います。(水、お湯どっちとも)

取り付けもクランクと水栓本体の間に分岐金具を取り付けるだけなので簡単です。分岐金具は水側、お湯側どちらに取り付けても大丈夫です。うちではお湯側に取り付けました。分岐金具付属のゴムパッキンはサイズを間違えないように確実に入れます。また、取り付け時にパッキンがズレないように注意します。

クランクに分岐金具を取り付けるときは楽勝ですが、分岐金具と混合水栓をナットを締める時には、分岐水栓とナットが共回りしてしまうので、もう一本のモンキーレンチで押さえつつ分岐管の向きが好みの角度になるよう調節しながら締め付けます。

分岐管じゃないただの延長管の方も共回りを抑える必要がありますが、角度は気にしなくてもいいのでより簡単です。

締め付けるときは水側、お湯側交互に少しづつ締め付け、混合水栓本体ができるだけ斜めにならないように締め付けていきます。斜めのまま締め込むとネジ部分に負担が掛かってしまいます。

締め付けるときは壁の中の配管に過度な負担が掛からないように適度な力で締めます。

よほど古い建物でなければ壁裏の配管が折れるということはないと思いますが、馬鹿力で締めたり体重を掛けて締めたりは御法度です。壁の中の配管が折れてしまうとDIYで直すのはかなり難しいと思います。

分岐金具の取り付けが出来たら分岐金具の栓が閉まっていることを確認して水道メーターのバルブまたはクランクの止水栓を開けます。

分岐金具や混合水栓の周りから水漏れがないか確認します。

漏れていた場合はまた水道メーターのバルブを閉め、混合水栓の蛇口を開いて水圧を抜き、再度ナットを締め直します。

何度閉めても水が漏れる場合はパッキンがズレているので、一度取り外してパッキンの位置を直して取り付けます。

万が一パッキンが締め付けによって変形してしまった場合はホームセンターの水栓コーナーなどで同じサイズのパッキンを買い直したほうがいいです。

こんな感じで注意点はあれど比較的簡単な作業です。締め付け具合には多少コツがいるかもしれません。
自分は適度な締め付けを心掛け過ぎて、締め付けが弱くてナットから水がダダ漏れでした。

食洗機本体の設置

分岐金具を取り付けたら食洗機本体を設置していきます。

うちでは本体はシンクの横に設置しました。

シンクの上部が食洗機に塞がれるのが嫌だったので、有り合わせの棚と余った2バイ材で自作した置き台を使って設置スペースを拡張して置いています。

既製品の棚と自作置き台
既製品の棚と自作置き台
アジャスターで高さの調節ができるようにしました
アジャスターで高さの調節ができるようにしました

自作置き台の上に厚手のビニールシートを敷き、シンクと両面テープで固定しました。

自作置き台にはタッカーで留めています。

ビニールシートはホームセンターの切り売りで買いました。

1mm厚のものを買いましたが、厚くて折ったり曲げたりしにくかったのでもっと薄手のもので良かったかも。

自作置き台には防水のためニスを塗りましたが、ビニールシートのお陰でほとんど濡れることがないのでニス塗りも不要だと思います。

両面テープで水が入り込まないようにしています
両面テープでビニールシートの下に水が入り込まないようにしています。台の固定も兼ねています。

給水ホースは本体とネジ止めで固定です。斜めにねじ込んでしまわないよう慎重に取り付けます。

ネジ部がプラスチックなので斜めのままでも力任せに捩じ込むことができます。そうなればネジ山が潰れて当然「破損」です。

分岐金具と給水ホースは洗濯機のホースと同じ要領でカチンと嵌め込むだけです。

排水ホースはホースバンドで本体に固定し、登り勾配にならないようにシンクまで導きます。

排水ホースの先端は必要に応じて切断して長さを調節したり、付属の吸盤でシンク内に固定したりします。

給水ホースと排水ホースの接続部分
給水ホースと排水ホースの接続部分
給水ホースと排水ホース
給水ホースと排水ホース

ちなみに給水ホースと排水ホースは本体底面にあるホース用の溝に収めながら前面に持ってくるのが正解らしいですが、うちでは余った長さを逃がすために本体から飛び出して迂回するように取り付けています。

うちでの給水ホースの取り回し
うちでの給水ホースの取り回し。遠回りで余分を逃しています。

分岐金具の栓を開いて食洗機本体まで通水し、給水ホース廻りで漏水がないか確認します。

あとは庫内の洗浄カゴをセットして設置作業は完了です。

庫内には乾燥仕上げ剤が塗布されているらしいので、食器を入れずに試運転を必ず行います。

試運転の方法は説明書に記載されているので、それに従って行います。

完成!!

おわりに

いかがだったでしょうか。

文章で書くとちょっと大変そうな作業に見えるかもしれませんが、多少時間は掛かるものの難易度自体は優しめだと思います。置き台の自作がなければ、不慣れでも1日あれば十分行けると思います。

ただ、水廻りの作業はほんの少しの漏水が思いもよらぬ家財の水濡れなどを起こすので、確実な作業と確認が求められます。1滴1滴の水滴でも24時間出続ければ水浸しになります。

うちでは設置から半年経ちますが特に水漏れもなく快適に使えています。

なによりも男三人の戸建てシェアハウスなので、食器洗いの負荷軽減はめちゃくちゃ助かっていて、同居人も

食洗機なしでは生きられない体になった

と言っていました笑

据え置き型食洗機の検討をされている方に参考になれば幸いです。

ではでは