Bose QuietComfort Ultra Earbuds レビュー
今まで有線イヤホンのShure SE215を使用していましたが、ケーブルが煩わしくなってきて、寝ホンとしてノイズキャンセリングイヤホンも欲しかったのでBoseのQuietComfort Ultra Earbuds(クワイエットコンフォート ウルトラ イヤーバッズ)を購入してみました。
稚拙ながら使用感や音質をレビューしてみたいと思います。
購入の決め手
自分はオーディオが好きで、比較的音質にこだわりがあるので、音質に定評があったゼンハイザーのMOMENTUM True Wireless 4が第一候補でした。
MOMENTUM True Wireless 4の発売後に楽天で注文しようとしたところまさかの売り切れ。
せっかく購入するまで時間ができたので有名メーカーの「Bose QuietComfort Ultra Earbuds」、「SONY WF-1000XM5」、「MOMENTUM True Wireless 4」の3つを試聴してから買うことにしました。
試聴して大正解。
デジタル耳栓と呼べるほどのノイキャン性能を有していたのは「Bose QuietComfort Ultra Earbuds」だけでした。(個人的な感覚です)
寝ホンとしても使いたかったうえに、通勤も電車なのでノイキャンの性能で後悔したくなかったんですよね。
いやーほんとにMOMENTUM True Wireless 4が売り切れでよかった。
試聴大事です。
ノイズキャンセリング性能
購入の決め手となったノイキャン性能ですが、家電量販店の騒々しい店内では上記3機種のうちQuietComfort Ultra Earbudsだけが「スン」とした静寂感をもたらしてくれました。もちろんそれでも無音ではないですけど。
世界最高ノイキャンを謳うWF-1000XM5にも同等のノイキャン性能があるかなと期待しましたが、こちらは周囲の音量は下がるものの「スン」とした感覚を感じるまでは行きませんでした。自然に感じる範囲で低減してくれる感じです。
それでもノイキャンじゃないカナル型イヤホンよりは遮音してくれますね。
MOMENTUM True Wireless 4に至っては「ノイキャン効いてる?」という印象でした😅
QuietComfort Ultra Earbudsのノイキャンが100点満点かと言うとそうではないと思います。
前述の通り上記3機種の中ではダントツに感じましたが、さすがに無音とはいきません。
そして、ノイキャンが1番強い分、ノイキャン中のホワイトノイズも1番大きいと感じました。
音楽を聴きながらであればまったく気になりませんが、耳栓として無音で使っているときは「ザー」という音が常になっている感じがします。個人的には「サー」というよりは、もうちょっと低い「ザー」という音に感じます。
その点ではホワイトノイズをほとんど感じさせないWF-1000XM5の方が断然自然です。
比較するとホワイトノイズが気になりましたが、使い続ける中で全然気にならなくなりました。
3ヶ月ほど経った今ではホワイトノイズを気にすることはほとんどないです。(あえてホワイトノイズを聞こうとしないと聞こえない(認識に入らない)です)
あとQuietComfort Ultra Earbudsのノイキャンは中低音のノイキャンがとても優れいる分、相対的に高音のノイキャンが少し弱いように感じます。
カフェで使っていると陶器がぶつかるカンカンキンキンとした音が意外と入ってくるなという印象を受けました。中低音のノイキャンが強いだけにちょっとだけ気になります。
ただ、その高音が弱い特性はメリットもあって、電車では「走行音を抑えつつも車内アナウンスは適度に聞こえる」と感じています。
自分はデジタル耳栓として電車内で無音で使うことも多いのですが、アナウンスをちゃんと聞きとることが出来てとてもありがたいです(もちろん音楽を聴いていたらアナウンスは聞こえづらいです)
高音のノイキャンをもっと良くしてほしいと思いつつも、現状では世界最強ノイキャンなので、ノイキャン性能で選ぶなら間違いなく第一候補に登るイヤホンです。
(QuietComfort Ultra Earbudsと同じくらいノイキャンに定評のある「AirPods Pro」は、個人的に形があまり好きじゃないので候補から外してました。無線なのに有線イヤホンを模した形がなんか好きじゃないんだよね😅)
〜おまけ情報〜
物理的な遮音性能が上がるかと思って非純正の低反発イヤーチップを買ってみましたが、遮音性能は微増という感じでした。
しかもケースに収めるとケース内でイヤーチップ同士がぶつかってしまいます。
付属の標準イヤーチップでもノイキャンによって十分に外界と遮断されるので、今では結局標準イヤーチップに戻しています。
音質
音質は今回比較した3機種の中では一番「脚色感が強い」ように感じました。
ドンシャリ傾向で、普段モニター系の機器で音楽を聴いてる自分としては「こんなに低音必要?」と思ってしまいます。
決して膨らんでブーミーということはないですが、スピーカーで例えるなら「サブウーファーつけて迫力増しました!」って感じの音です。
この低音の強調が脚色感を感じさせる一番の要因と思います。
自分はイコライザーで低域を下げて少しでもフラットに感じられるようにしています。
でもイコライザーは低音、中音、高音の3バンドでしか調整できないんですよね。もうちょっと低域を分割して調整したいです。
あと、低域を下げてもバスドラムのパンチがあんまり減らないですね。
これはメリットと感じる人もいればデメリットに感じる人もいると思います。
高域の粒子感(サラサラ感、きめ細やかさ)についても3機種の中では一番荒く、繊細な表現という部分では他2機種に一歩譲ります。
まぁ脚色感があると書きましたが短時間で慣れると思います。
他の機種と比較すると感じるだけで、充分自然に音楽を聴くことができます。
メリハリがあると表現すればメリットに感じるかもしれません。
かれこれ3ヶ月近くQuietComfort Ultra Earbudsを使っていますが、音質が悪くて使うの嫌だと思ったことは一度もないです。
低音の強さはEDMなどに合うと思うし、ロックでもライブ音源には相性がいいと思います。
ついでに比較した他2機種の印象を書きます。
MOMENTUM True Wireless 4は高域の粒のサラサラ感と表現の繊細さが一番優れていると感じました。
音質追求というコンセプトが確実に体現されています。
ただノイキャン性能が低いことと、「ノイキャンイヤホンの中では音がいい」というだけで感動するレベルではないと個人的には感じました。(あくまでお店での短時間視聴の感想です)
騒音がある環境ではなく、静かな環境で使うともっといいところも見えてくるかもしれません。
(でもそれならノイキャンイヤホンである必要ないような)
WF-1000XM5はソニーのリスニング向け製品らしい、ナチュラルで聴き疲れしにくい音質でした。
自分はソニーのノイキャンヘッドホン、WH-1000XM4を持っていますが、同じ系統の音でした。
ナチュラルで優しい音でとっても聴き疲れしにくいと思います。
モニター系のスッキリした音質が好みだと「1枚ベールを被っている」ように感じるかもしれませんが、それでも自分が使っている一世代前のWH-1000XM4よりは今回視聴したWF-1000XM5の方がベール感少なくすっきりしているように感じました。
新世代だけあって音質は向上していると思います。(ヘッドホンとイヤホンの違いもあるかもしれません)
「ながら聴き」や、長時間使いたい人にはとてもいい選択だと思います。
(自分は家で「ながら聴き」で使う音響機器はWH-1000XM4が使用率No.1です)
ということで音質について感じたことを書いてみましたが、ノイキャンイヤホン自体が騒音のある環境下で使うものと考えると、音質を気にし過ぎるのもちょっと違うかなと思います。
騒音って音質を阻害する最も大きい要因のひとつなので、騒音の中で音質を追求するのはある意味で矛盾していると思います。
MOMENTUM True Wireless 4もノイキャンが弱いせいで騒音のある環境下では音質を存分に味わうことができません。
静かな場所で音質だけを追求するならノイキャン機能なしの方がコスパの面では有利かもしれませんね。
空間オーディオ
QuietComfort Ultra Earbudsには「イマーシブオーディオ」という、ステレオ音源でも空間オーディオ化する機能があります。
この出来がとっても素晴らしいのです!
エコーが付加されるので音楽の繊細さは少し下がってしまいますが、狭い頭内定位から音場が一回り広がって、臨場感がグッとアップします。
映像コンテンツを見ながら聴くと本当に前方から音が鳴っているように錯覚することができます!
イマーシブオーディオには「静止」と「移動」という2つのモードがあります。
「静止」
「静止」では頭内定位感を薄めるだけではなく、音を前方に「固定」することができます。
モーショントラッキング機能によって、首を横に向けても元々の「前方」から音が聞こえてきます。
本当に自分の50cmくらい前方から音が鳴っているように感じます。
「やべっ!スピーカーで鳴らしてた!」と勘違いしてしまうほどです笑
正直イマーシブオーディオをオンにするだけではそこまで前方定位感を感じませんが、首を横に振って音が前から鳴っているのを感じることによって、より強く前方定位感を脳に錯覚させることができます。
「静止」で固定される音の位置は6秒ほど違う方向を向いているとその方向が前方として再定義されます。
音の移動もパッと切り替わるのではなく「ススッと滑らかに」移動するのでとっても丁寧に制御している印象を受けます。
音の固定は横方向のみです。縦方向は関係ないので上を向いていても上には固定されません。
「移動」
続いてイマーシブオーディオの「移動」についてですが、こちらは音の位置の固定がなく、常に自分の向いている方向が音のセンターになります。
首振りによる脳の錯覚強化を使えないのでこちらの方が前方定位感は弱く感じますね。
「移動」でも音の移動は滑らかで、首の向いてる方向にピタッ付いてくる訳ではなく、スウィープ動作のように少し遅れて滑らかに付いて来る感じがします。
とても丁寧な制御で高級感を感じます(と書きつつ勘違いだったらすいません)。
映像コンテンツを見ているときは「静止」、その他の状況では「移動」という使い分けだと思います。
逆に「静止」であえて動き回ってみるのも面白いです笑
ちょっと面倒臭いのが、クワイエットモード(ノイキャンモード)やアウェアモード(外音取り込みモード)など、モードを切り替えると毎回イマーシブオーディオの設定が「オフ」になってしまうことです。
そのためイマーシブオーディオを使いたい場合はモードを切り替えるたびにONにする必要があります。
後述のカスタマイズモードを使えばはじめからONにしてあるモードを作ることも可能です。
イマーシブオーディオを使うと消費電力が増えるみたいのなので気づかずにONにして使ってしまうのを防ぐためかもしれませんね。
このブログを書きながらニールヤングのアンプラグド(アコースティックライブの音源)をイマーシブオーディオで聴いていたのですが、「本当にコンサート会場にいるような錯覚に陥りました」。
改めてイマーシブオーディオの臨場感に感心しました!
QuietComfort Ultra Earbudsをはじめから空間オーディオありきのイロモノイヤホンとして捉えるとその存在価値はグッと上がる思います!
ライブ音源との相性は抜群に良いです!
外音取り込みモード
QuietComfort Ultra Earbudsは外音取り込みモード(本機種では「アウェア」モードといいます)もとっても優秀です。
他のイヤホンで外音取り込みモードを試さなかったので特別優れているかはちょっとわかりませんが、外の音の聞こえ方がめちゃくちゃ自然です!
「穴が空いた耳栓をつけているみたい」と比喩できるくらい、何かをつけている感じ以外は裸耳とほとんど変わりありません。
手持ちの一世代前のWH-1000XM4との比較で申し訳ないですが、こちらは外音取り込みモードにするといかにも「マイクで録ってます」という機械的な音で周囲の音が聞こえます。
QuietComfort Ultra Earbudsの「アウェア」モードは本当に自然です!
「アウェア」モードには「Active Sence」という、外音取り込みしながらも大き過ぎる音を軽減してくれる機能があります。
大きな音を抑えてくれるのはありがたいのですが、この機能が働くと気圧差で耳がツーンとなったときのような感覚になるので思わずつばを飲み込んでしまいます笑
屋外ではActive Senceが働いたと感じることも少ないですね。
家の中で扉を閉めた時など、突発的な大きな音に対しては働いているのがよくわかります。
「周囲の音が大きくなると〜」と書いてあるように、絶対的な音量よりも、音量差に対して働いているのかもしれません。
ちょっと不自然に感じる場面がありつつも、耳を守ってもらえると思って自分はオンにしています。
(今思いついたのですがDIYでインパクトドライバや金槌を使うときの耳の保護にすごい便利かも!)
装着感
装着感に関してはQuietComfort Ultra EarbudsがWF-1000XM5、MOMENTUM True Wireless 4と比べて一番快適だと思いました!
イヤーチップの形状が、この3機種の中で一番浅い形状になっています。
このため長時間の装着でも耳の穴が痛くなったりということが全くありません。
また、本体に付いているゴムのイヤーフィンが引っ掛かることで、カナル型のように耳に差し込んでいなくても脱落の心配は全くありません。
装着したまま10kmほどランニングしましたが、落ちそうになったことは1回もありませんでした。
イヤーチップとイヤーフィンはS・M・Lの3種類が付属しています。
耳の穴に差し込まない形状にも関わらず音漏れも問題ありません。
夜の静かなリビングで自分がQuietComfort Ultra Earbudsを付け、友人に音漏れの程度を聞いてもらいましたが、耳に痛いほどの音量で聴いていても、音は全然漏れてないとのことです!
(メタル系の音楽をiPhoneの音量バーで2/3くらいの音量で聴き、友人には1.2mほど前方で音漏れを聞いてもらいました)
これだけ音漏れが少なければ外出時でも周囲にシャカシャカ音で迷惑をかけずに音楽を楽しめそうです。
接続安定性
接続安定性については問題ない部類だと思います。
iPhone12 miniで3ヶ月ほど使っていますが、使用中に勝手に切断したことは一回もありません。
対してゼンハイザーのMOMENTUM True Wireless 4は試聴時になかなかペアリングしなくて苦労しました。
(MOMENTUM True Wireless 4については家電量販店の店員さんも「音はいいけど接続がねぇ」と嘆いていました)
それと比べればかなりマシなレベルと言えます。
ただ、たまに一瞬だけ音がダブって聞こえるような挙動をすることがあります。
iPhoneとペアリングして使っているときに、iPhoneのテザリングをONすると顕著に症状が現れたので、電波の影響かもしれません。
でもQuietComfort Ultra Earbudsの問題なのか、iPhone側の問題なのかはわかりません。
手持ちのBluetooth再生機器があまりないので検証できてません。
また、たまたまかもしれませんが、iPhoneのBluetoothがオフの状態でQuietComfort Ultra Earbudsを耳に装着し、後からiPhoneのBluetoothをオンにしてiPhone側からQuietComfort Ultra Earbudsに接続すると音が途切れ途切れになりやすいような気がします。
断定はできませんが過去2回ほど途切れ途切れになった時は上記のような接続手順でした。
あと、これは注意喚起したいのですが、再生機器側のBluetoothのバージョンが古い場合はまともに接続できない可能性があります。
Bluetooth4.0のMacBook Pro 2015ではすぐに切断されて使い物になりませんでした。
何度接続し直しても1分も経たずに接続が切れてしまいます。
Bluetooth4.2のiMacでは大丈夫だったので、再生側の機器がBluetooth4.0以下では使えないと思っておいた方がいいかもしれません。
その他の接続関連の症状としては、たまに「ププッ」というノイズを拾ったような音が聞こえることもあります。
こちらは頻度も少なく、音量も極小さいものなのでほぼ気にすることはないかと思います。
(最近全然聞こえなくなったので、もしかしたらソフトウェアのアップデートで直ったかもしれません)
操作感(タップの操作感)
イヤホン側面の「Bose」と書いてある面がタッチセンサーになっており、シングルタップで再生・停止、ダブルタップとトリプルタップで曲送り、スワイプで音量の上げ下げという感じで操作することができます。
イヤホン左右での使い分けはなく、どちらでも同じタップ操作で同じ機能が働きます。
着信への応答、終話もタップ操作で行います。
ちょっと気になるのは、タッチセンサーの感度が高く、少し指が触れただけでタップしたと判定されてしまうことです。
シングルタップで再生・停止なのですが、指がちょっと触れて意図せず音楽を止めてしまうことがあります。
あと、指でタップした時の物理的な打撃音が結構耳に響きます笑
ノイキャンで静かに過ごしている分、余計にそう感じてしまうのかもしれませんが、何気なくタップ操作すると「うっさ!」とビックリします。
もしかしたら優しく触れても操作を受け付けるようにタッチセンサーの感度が高めになっているかもしれません。
でも優しくタップしようとすると指がプルプルして大変なんですけど笑
タップやスワイプ操作以外に、長押し(長触れ)でショートカットを割り当てておくことが出来ます。
こちらは左右のイヤホンに別々の機能を割り当てることが出来ます。
割り当てるショートカットは「モードの切り替え」と「イマーシブオーディオの切り替え」、「音声アシスタントへのアクセス(Siriなどの起動)」の3つの中から選ぶことができます。
長押しは割り当てた機能が働くまで1秒くらい掛かるので、モード切り替えなど目的のモードまで連続で操作する必要のある場合はちょっと煩わしいです。
モードについて
QuietComfort Ultra Earbudsには「クワイエット」「アウェア」「イマージョン」という3つのモードがデフォルトで用意されており、その他に自分でカスタマイズしたモードを保存しておくことができます。
モードの内容がちょっとややこしかったので紹介したいと思います。
クワイエットモード
ノイズキャンセリングのモードです。
ノイズキャンセリングのレベルは最大固定となっています。
イマーシブオーディオ(空間オーディオ)を「オフ」「静止」「移動」のいずれかで設定できます。(「静止」と「モーション」の違いについては前述)
アウェアモード
外音取り込みモードのことです。
外音の音量は調整することはできません。
前述の通り、「Active Sence」という大きい音に対して自動でノイキャンを掛ける機能を付加できます。
こちらもイマーシブオーディオ(空間オーディオ)を「オフ」「静止」「移動」のいずれかで設定できます。
イマージョンモード
ノイズキャンセリング+空間オーディオのモードです。
ノイズキャンセリングのレベルは最大固定です。
自分ははじめ、この機能の意味がよくわからなかったのですが、要するに「クワイエットモードでイマーシブオーディオを「移動」に設定した時と同じ内容」のモードです。
イマーシブオーディオが「移動」でいい場合は、クワイエットモードでイマーシブオーディオを「移動」に設定するよりもイマージョンモードにした方が手軽ですね。
その他 カスタマイズモード
上記の「クワイエット」「アウェア」「イマーシブ」以外に自分でカスタマイズしたモードを作ることができます。
カスタマイズ出来る内容は「ノイズキャンセリングのレベル」と「イマーシブオーディオの設定」です。
モードの名前はアプリ内で用意されている10個の名前から選びます。
モード名の横に鉛筆マークがあるので自分で書けるのかと思いましたが、自由記述ではなく用意されたものから選択する形式となります。
利用シーンによってノイキャンのレベルを使い分ける感じですかね。
ノイキャン最大+イマーシブオーディオ「静止」という内容のモードを作っておけば、クワイエットモードでいちいちイマーシブオーディオを設定し直すという手間を省くこともできます。
またアウェアモードで外音が大き過ぎると感じる場合は、ノイキャン量を調節したモードを作っておくのもいいと思います。
自分はクワイエットモードを使った直後にアウェアにモードにすると相対的に外音が大きく感じるので、ノイキャンレベルを半分に設定したモードを1つ作ってあります。
カスタマイズモードではイマーシブオーディオを設定しておけますが、そのモードを使っている最中にイマーシブオーディオの設定を切り替えることもできます。(例:ノイキャン最大+イマーシブオーディオ「静止」という内容のモード使っている最中でもイマーシブオーディオを「オフ」や「移動」に切り替えることができます)
モードの切り替えはスマホのBoseアプリ内で行うか、前述のショートカットにモード切り替えを割り当て行います。
ショートカットで切り替える場合は順番に切り替わって行くので、たくさんモード作ると目的のモードにたどり着くのがちょっと手間になります。
モード名の横の星印をオフにしておけば、ショートカットでの切り替え時にそのモードを飛ばすことができます。
ケースについて
ケースの大きさは小さくもなく、大きくもなくといった感じ。
縦・横は6cmくらいなのでポケットにも楽に入りますが、厚みがあるのでちょっと嵩張る感じはあります。
カバンに入れる場合も薄い収納スペースに入れるときはちょっと気になりますね。
それでもワイヤレスイヤホンのケースとすればこんなものではないでしょうか。
イヤホンを入れる所はマグネットになっていて、イヤホンがケースから落下するのを防ぐとともにケース内で揺れてカラカラ鳴るのを防いでいます。
ただ磁力が強くてちょっと取り出すのが大変に感じます。
まぁこれは自分が指先油神経質なせいなのですが。
自分の場合、耳の油がついたイヤホンを触りたくなくてできるだけ指を立てて弱い力で取り出そうしてるからですね。
指先に力を入れてイヤホンをしっかりと掴めば問題ありません。
イヤホン側も取り出しやすいように出っ張りがある形状になっています。
ケースにはLEDのインジケーターが2つ付いていて、ケース前面のLEDはケースの情報を、蓋を開けたところのLEDはイヤホンの情報を表示しています。
ケースを開けた時と閉めた時にLEDが光って情報を伝えてくれます。
基本的には充電状態について表示してくれます。
ケース自体の充電残量はケース前面のLEDが白色に5秒間点灯すればケースの充電残量は33%〜99%で、オレンジに5秒間点灯した時は10%〜33%という意味になります。
オレンジに2回点滅した時は10%未満で要充電ということになります。
蓋を開けたところのLEDはイヤホンが入っている状態で白く光ればイヤホン充電完了(満充電)、オレンジに光ればイヤホン充電中を表します。
QuietComfort Ultra Earbuds取扱説明書
https://assets.bose.com/content/dam/Bose_DAM/Web/consumer_electronics/global/products/headphones/qcue-headphonein/pdf/885502_OG_QCUE-HEADPHONEIN_ja.pdf
ちなみにイヤホンを耳に装着した時に音声で充電残量(パーセンテージ)を案内してくれます。
手持ちの機器と比較してみました
QuietComfort Ultra Earbudsの音質傾向が見えてくるかと思ったので、ジャンルが違う機器と承知しながらも下記の手持ちの機器と聴き比べてみました。
再生ソースはすべてiMacで、ソフトはMac標準のミュージックアプリです。
QuietComfort Ultra EarbudsはiMacとBluetooth接続なので、コーデックはAACとなります。
〜比較した機器〜
1.Trio6 Be + ADI-2 Pro(モニタースピーカー+DAC)
2.DT 770 PRO 80Ω + ADI-2 Pro(モニターヘッドホン+DAC)
3.SE215(iMacのイヤホンジャックに直差し)
4.WH-1000XM4(ノイキャンヘッドホン、Bluetooth接続、コーデックAAC)
【補足】
ADI2 Proを通している機器はSoundID Referenceという周波数特性をフラットにしてくれるソフトウェアで補正を掛けています。
QuietComfort Ultra EarbudsとWH-1000XM4は聞いた感じで出来るだけフラットに感じるように、それぞれの純正アプリのイコライザーで調整しました。
比較した結果、QuietComfort Ultra Earbudsは「微細な付帯音を削ってやや寒色のフィルターを掛けたような音」と感じました。
リファレンスとなるモニター系の上記1、2はスッキリして立体感があり、音の細かなディテールも聞き取ることが出来ます。
それと比べるとQuietComfort Ultra Earbudsは音の立体感がなく、細かなディテールは諦めてメリハリを効かせているように感じました。
滑らかに消えていくサスティーンの描写が荒いというか、早めにバッサリ切ってしまうようなイメージがあります。
ペイントソフトで例えると、スプレーでサラサラと微細に表現するか、塗りつぶしでベタッと色付けするかの違いにも似ている気がします。
また、モニター系と比べるとやはり音に1枚フィルターが掛かっているように感じます。
そのフィルターは寒色方向だけどはっきり寒色系と言えるほど冷たくもない感じです。
今回の機器の中では寒色方向に感じただけかもしれません。
あとバスドラムの音が、「音をカプセルに包んで塊感を増している」ように感じました。
どの曲でもバスドラムを同じようなカプセルに包んでいるように感じ、乱暴に言えばどの曲もバスドラムの音が同じように聞こえます。
上記のような特徴はQuietComfort Headphonesでも感じたので、BoseのQuietComfort系の音作りなのかもしれません。
WH-1000XM4はQuietComfort Ultra Earbudsと比べると暖色系のフィルターが掛かったような音です。
その暖色系のフィルター感がWH-1000XM4の聴き疲れのなさを生んでいると思います。
トゲがなく優しい感じ。
手持ちの機器の中で聴き疲れのなさはWH-1000XM4がNo.1です。
ヘッドホンなだけあって音量を上げるとQuietComfort Ultra Earbudsより少し立体感があるように感じます。
SE215はiMac直挿しでイコライジングしてないこともあって今回の比較の中では1番音が悪かったです。
膨らんだ低音に中音も高音も汚されていました。
ただイヤーチップを純正から変えていたことも影響があると思います。
(あとからミュージックアプリ内にイコライザがあることに気づきました…引っ越しのためにiMacを梱包してしまったので、引っ越し後またイコライジングして聴き直してみます)
まとめ
ということでQuietComfort Ultra Earbudsをレビューしてみました。
手持ちの機器との比較でフィルターが掛かったようと表現しましたが、それは裏を返せばリスニング機器としての聴きやすさでもあると思います。
モニター系の機器はスッキリして立体感があり、一聴してとても音質良く感じますが、検聴用の機器なだけあって音のトゲが鋭いというか、聴き疲れする印象があります。
また、QuietComfort Ultra Earbudsは現存するノイキャンイヤホンの中ではノイキャン性能が最強クラスであり、着け心地も快適で、音質的な聴き疲れのなさはWF-1000XM5に一歩譲ったとしても、こちらも「ながら聴きには最高の相棒」です。
しかも秀逸な空間オーディオ機能を搭載しており、ライブ音源を聴いた時の没入感は素晴らしいものがあります。
少しでもこのレビューが参考になったら幸いです。
ぜひお店でこのイヤホンのノイキャン性能を体感してみてください!
ではでは。